8.一歩進んだ「紙copi Lite」の使い方
8-1.紙の「重要度」を色で区別する
文章内容の重要 そこで、「紙copi Lite」には「重要度」機能として、ファイルのひとつひとつに重要度を設定する機能が用意されています。重要度が設定された紙は一覧リストにおいて見出しが太字や黒色以外の文字色で表示されるようになりますので、わざわざ紙をひとつずつ開いて内容を確認しなくても、一覧リストを眺めただけで、どの紙が緊急に対処すべき内容を記したものなのかが把握できます。
■「重要度」の設定方法
- 重要度を設定したい紙を開き、本文表示エリア上部の見出し窓横にある[重要度]ボタンをクリックします。
- 表示されたメニューから設定したい重要度の項目を選択します。
重要度の項目はデフォルトでは「重要」「最重要」「進行中」「未済」「Check It!」の5項目が用意されていますが、重要度設定メニュー内の[重要度の項目]を選択すれば、最大7項目まで増やすことができます。
重要度の項目編集は、重要度メニュー内の[重要度の項目]を選択して、表示された[重要度の項目]画面から行います。
●[重要度の項目]画面解説
- 項目名
- 項目の名前を入力します。
- 色
- 見出しの文字色を設定します。マウスで色をクリックし、表示された画面から色を指定します。
- 太字
- 見出しの文字を太字で表示する場合にオンにします。
- 効果音
- この重要度が設定されてる紙を開いた際に鳴らす効果音を設定します。
[ピロ!][ドア音]の2つから選択可能です。
8-2.紙に「しおり」をはさむ
一日に何回も同じ紙を開くことがあると思います。また、ある紙を閲覧・編集している最中に、別の紙に書かれた情報を参照したくなることもあるでしょう。そういったとき、目的の紙がすぐ近くにあれば簡単に開くことができますが、別の箱に入っていると少し手間がかかります。
そこで、「紙copi Lite」では頻繁に使用する紙に「しおり」をはさんでおいて、開きたくなったときにはマウスクリックひとつでその紙を開くことができるようになっています。
しおりは「紙copi Lite」のウィンドウ終了とともに非表示にすることもできますし、ウィンドウ終了後も、しおりだけはデスクトップに表示し続けるようにも設定できます(ウィンドウ終了後も表示し続けるためには、タスクトレイに「紙 常駐」が起動している必要があります)。
■「しおり」のはさみ方
- しおりをはさみたい紙を開いて、[編]メニューの[しおりを作る]を選択します
(Ctrl+Tキー、またはツールバーの[しおりを作る]ボタンをクリックすることでも可能です)。 - マウスカーソルの位置に小さな「しおり」が表示されますので、画面上部など好きな位置にマウスで移動します。
しおりが不要になった場合には、しおりの右上にある×印をクリックしてください。
■デスクトップに常時しおりを表示し続ける方法(「紙 常駐」必要)
- [他]メニューの[動作設定]を選択します。
- [基本設定]タブの[タスクトレイに常駐する]をオンにします。
- [表示設定]タブの[紙終了後もしおりを表示し続ける]項目をオンにします。
さらに、「紙copi Lite」のしおり機能には、既存の紙にしおりをはさむ機能だけでなく、既存のしおりアイコンから、新規テキストファイルを作成する機能も搭載されています。「紙copi Lite」本体のウィンドウを起動しての操作ではなく、新規ファイル作成専用のコンパクトな画面を表示しての操作となっていますので、ほかのソフトを使った作業中でも、現在実行している作業の流れを止めることなく、素早くメモを作成して、もとの作業に戻ることができます。
■しおりから新規テキストファイルを作成する方法
- 既存のしおりアイコン上で右クリックします。
- ポップアップ表示されたメニューから[新しくしおりを作る]を選択します。
- [紙copi しおりエディタ]画面が表示されますので、[保存先]欄でどの箱内に作成するかを選択します。
- テキスト入力領域へ文章を入力します
(1行目に入力された内容が自動的にファイル名となります)。 - 今回新規に作成するファイルのしおりも同時に作成したい場合には、[保存と同時にしおりを作る]項目をオンにします。
- [OK]ボタンをクリックします。
なお、タスクトレイに「紙 常駐」が起動している場合には、「紙 常駐」アイコンを右クリックし、表示されたメニューの[新しくしおりを作る]からも、[紙copi しおりエディタ]画面を表示可能です。デスクトップにしおりを常時表示し続けていない場合には、こちらから新規ファイルの作成を行ってください。
8-3.直前に開いていた紙を簡単に開く
「しおり」機能を使用すれば遠くにある紙を簡単に参照することができると説明しました。
しかし、参照先の紙を開いた後に元の紙にも簡単に戻れなければ、やはりそれぞれの紙の場所が離れている場合には操作が面倒になります。
そこで「紙copi Lite」では、直前に開いていた紙へショートカットキーから簡単に戻ることができるようになっています。
しかも、ただ元の紙に戻るのではなく、マウスカーソルを最後に編集していたときの位置に復元して戻ります。
直前に開いていた紙を開くには、Ctrlキーを押しながらUキーを押します。
なお、Ctrl+Uキーで直前に開いていた紙を表示する機能は、「紙copi Lite」のウィンドウが起動している間に開いた紙が対象となります。
そのため、いったん「紙copi Lite」のウィンドウを閉じると、閉じる直前に開いていた紙にCtrl+Uキーで戻ることはできません。
いったん「紙copi Lite」のウィンドウを閉じた後に、再度、閉じる直前に開いていた紙を開きたい場合(つまり、終了時の紙を開いた状態で「紙copi Lite」の画面を再度表示したい場合)には、Ctrl+Shift+Jキーを押してください。
コラム:最近使った紙の履歴を削除する
「紙copi Lite」では編集を行ったファイルの履歴を最大9個まで記録し、[最近使った紙]として[紙]メニューおよび「紙 常駐」の右クリックメニューに表示します。この履歴を消去したい場合には以下の方法で操作します。
- [紙]メニューの[最近使った紙]をクリック、またはタスクトレイの「紙 常駐」アイコン上で右クリックします。
- [最近使った紙の履歴削除]を選択します。
- 確認ダイアログが表示されますので、[OK]ボタンをクリックします。
- 削除が完了した旨のダイアログが表示されますので、[OK]ボタンをクリックします。
8-4.紙をめくる
「紙copi Lite」には、本をパラパラとめくって書かれている内容を眺めるように、箱の中にある紙をめくって文書の先頭数行だけを確認する機能が用意されています。 探している紙を簡単に見つけたいときにはとても便利な機能です。
■紙のめくり方
- [他]メニューから[動作設定]を選択し、[動作設定]-[表示設定]タブの[紙をめくるための「つまみ」を表示する]をオンにします。
- 本文表示エリアの左上隅に小さな四角が表示されますので、その部分にマウスを移動します。
- マウスをクリックすると本文表示エリアが紙をめくるための画面に変更されますので、そのまま下方向にドラッグします。
- 開きたい紙が見つかったら、青い縦線がその紙の左横に表示されているのを確認してマウスを離します。
紙をめくる画面では、重要度情報が設定されている紙の見出し横にその重要度の項目名も表示されます。
8-5.複数の紙を対象に検索する
6-4.検索・置き換えする においては、ひとつの紙の中を対象に任意の文字列を検索する方法を解説しましたが、「紙copi Lite」にはひとつの紙の中だけでなく、複数の紙を対象に検索する機能も用意されています。
複数対象検索には大きく分けて、複数の箱を対象に連続して検索する方法と、ひとつの箱内を一括して検索する方法のふたつがあります。
複数の箱を対象に連続して検索する方法では、「紙copi Lite」に登録されているすべての箱を検索対象の文字列が見つかるまで連続して検索することができます。
対して、ひとつの箱内を一括して検索する方法では、検索結果を一覧で確認することができます。
■複数の箱を対象に連続して検索する方法
- [探]メニューから[探す]を選択し、「探す」画面を表示します。
- [検索文字列]に検索対象とする文字列を入力し、[検索モード]欄にて一般検索か正規表現検索かの指定などをおこないます。
- [次の紙も続けて検索]をオンにし、[上を続けて探す][下を続けて探す]ボタンのいずれかをクリックします。
- 検索にヒットした紙が見つかった後も、F3キー([下を続けて探す]から検索した場合)もしくはShift+F3キー([上を続けて探す]から検索した場合)を押して検索を続けます。
- 現在表示している箱内の紙を検索し終わると[現在の箱は最後まで検索しました。下の箱に移りますか?]という画面が表示されます。
[はい]を選択して他の箱内にある紙への検索を続けます。
複数の箱を対象にした連続検索は、[次の紙も続けて検索]をオンにした状態で[上を続けて探す][下を続けて探す]ボタンから検索したときにのみ機能します。
たとえ[次の紙も続けて検索]がオンであっても、[箱内一括検索]ボタンから検索した際には複数の箱を連続検索することはできません。
また、すべての箱を対象にした連続検索は、検索終了までに時間がかかることがあります。
■ひとつの箱内を一括して検索する方法
- [探]メニューから[探す]を選択し、「探す」画面を表示します。
- [検索文字列]に検索対象とする文字列を入力し、[検索モード]欄にて一般検索か正規表現検索かの指定などをおこないます。
- [箱内一括検索]ボタンをクリックします。
- 検索結果が一覧表示されますので、確認したい紙の検索結果行をダブルクリックします。
[高度な検索]内の[更新日][HTMLファイルはソースモードで検索]各オプションは、[高度な検索]が展開された状態のときにのみ設定状態が検索処理に反映され、閉じられた状態の時にはすべての項目が無効になります(これらオプションがすべてオフの状態と同じ動作となります)。
[高度な検索]内にある[絞り込み]欄の[更新日]は、複数の箱を対象に連続して検索する方法・ひとつの箱内を一括して検索する方法、いずれのときにおいても、任意の期間内に更新された紙のみを検索対象にしたいときに使用します。
[高度な検索]内にある[HTMLファイルはソースモードで検索]は、HTMLファイルを検索する際にヘッダーやコメントなど、通常「見る」モードでの表示には現れない部分も検索対象に含めたいときに使用します。このオプションをオフにして検索したときにはHTMLファイルを「見る」モードで検索し、オンにして検索したときには常に「ソース」モードにてHTMLファイルを検索します([箱内一括検索]ボタンから検索した際の結果一覧画面でHTMLファイルをダブルクリックした場合、このオプションがオンの状態で検索したときには「ソース」モードでの表示となります)。
HTMLファイルを「ソース」モードにて開いている状態で[探す]画面を表示すると、このオプションは自動的にオンの状態になっています。
コラム:「紙copi Lite」の画面を最前面に表示する
「紙copi Lite」内で表示しているファイルを参照しながら同時に起動しているワープロソフトで文章を作成するような場合など、「紙copi Lite」の画面を他のウィンドウの下に隠れず常に見える状態にしたいときがあると思います。
そのようなときには、「紙copi Lite」のタイトルバー上で右クリックし、表示されたメニューから[最前面に表示]をオンにしてください([動作設定]-[表示設定]タブの[ウィンドウを最前面に表示する]をオンにすることでも有効にできます)。
8-6.定型文を作成する
メール冒頭の挨拶文や報告書など、いつも同じ形式で書かれる文章のひな形を「紙copi Lite」の定型文として登録しておけば、キーボードから簡単に呼び出すことができますので、作業効率が飛躍的に上がります。
また、「紙copi Lite」の編集画面に対してだけでなく、他のソフトの入力画面へも定型文を貼り付けることができますので、掲示板や懸賞の応募時に頻繁に入力を求められるメールアドレスや氏名などをあらかじめ定型文として登録しておけば、わざわざ毎回入力しなくてもショートカットキーから簡単に呼び出して貼り付けることもできます。
■準備
タスクトレイに「紙 常駐」の緑色のアイコンが表示されているかを確認してください。
定型文機能は「紙 常駐」によって実現されていますので、これが起動していなければ利用できません。
もしタスクトレイに表示されていない場合には、[他]メニューから[動作設定]を選択し、[動作設定]-[基本設定]タブの[タスクトレイに常駐する]をオンにしてください。
■定型文の登録方法
- Alt+1キーを押してポップアップメニューを表示します。
- 表示されたメニューから[定型文の編集]を選択します。
- 「紙copi Lite」が起動し、「定型文」という見出しのテキストファイルが表示されますので、登録したい定型文の内容を入力します。
「紙copi Lite」の定型文データは、箱エリアのいちばん上にある箱のなかに「定型文.txt」という名前のテキストファイルで保存されます。このファイルの内容は自動的に[動作設定]-[基本設定]タブの[定型文.txtの保存先]で指定された場所へバックアップが作成されます。
具体的な定型文の入力・編集方法は、■定型文の編集 をご覧ください。
■定型文の使用方法
- Alt+1キーを押してポップアップメニューを表示します。
- 表示されたメニューから貼り付けたい定型文の項目を選択します。
定型文メニューに表示される内容は、前回定型文の編集操作をおこなった「定型文.txt」ファイルの内容になります(初期状態では箱エリアのいちばん上にある箱のなかの「定型文.txt」の内容です)。
もし前回編集した「定型文.txt」が同じ場所に存在しない状態でポップアップメニューを表示すると、[動作設定]-[基本設定]タブの[定型文.txtの保存先]で指定された場所へバックアップされていたファイルの定型文が表示されます。
前回編集した「定型文.txt」が同じ場所に存在しない状態でポップアップメニューより[定型文の編集]を選択すると、バックアップされていたファイルの内容で現在箱エリアのいちばん上にある箱のなかに「定型文.txt」ファイルが新規作成されます。
※現在箱エリアの一番上にある箱の中に既に「定型文.txt」ファイルが存在し、なおかつそのファイルの更新日時がバックアップされていたファイルと異なる場合には、今後どちらのファイルの内容を定型文データとして利用するかを選択する画面が表示されます。
■定型文の編集
●1行だけの定型文
メールアドレスなどのように1行だけの定型文を登録する場合には、そのまま行の先頭から文章を入力してください。入力された文章がそのまま定型文となります。
1行だけの定型文には名前をつけることができます。
名前をつけたい定型文の文章末尾にタブ文字をひとつ追加して、その後に名前を入力してください。定型文の名前は、Alt+1キーでポップアップした定型文メニューの右側に表示されます。
●複数行の定型文
複数行にわたる文章を定型文として登録する場合には、改行したい部分を「\n」という単語に置き換え、すべての改行を削除した1行の文章にする必要があります。 具体的な作成手順は以下になります
- 新しい紙の作成画面から、定型文として登録したい文章を作成します。
- すべての文章の末尾に「\n」という単語を入力します。
- すべての改行を削除して、1行の文章にします。
- すべての文章を範囲選択後コピーして、「定型文.txt」に貼り付けます。
「\n」以外にも、「紙copi Lite」の定型文機能では特別な意味を持つ単語が存在します。 以下にそのリストを紹介します。
■定型文中で特別な意味を持つ単語一覧
単語 | 意味 |
---|---|
タブ文字 | 定型文と定型文の名前の区切り |
改行 | 定型文の終了 |
空白行 | ポップアップメニューの区切り線 |
\n | 定型文中での改行 |
TimeFormat式 | 日時の書式指定(次項参照) |
●TimeFormat式について
[他]メニューの[日付の設定]画面にはあらかじめ9つの日付の書式が用意されていますが、定型文機能のTimeFormat式を使用すれば、日時や曜日を様々な書式で細かく指定した、自分独自の書式を作成することができます。
TimeFormat式を利用した定型文を作成するには、定型文の先頭に「TimeFormat::」と入力して、日時を挿入したい位置に以下のTimeFormatキーワードを入力します。
■TimeFormatキーワード一覧
種類 | キーワード | 説明 |
---|---|---|
年 | %y | 下2桁の西暦 (00〜99) |
%Y | 4桁の西暦 (1900〜2000) | |
月 | %m | 月(01〜12) |
%b | 月の英語省略名 (Jan,Feb...) | |
%B | 月の英語正式名 (January,February...) | |
曜日 | %w | 曜日の日本語省略名(月,火...) |
%W | 曜日の日本語正式名(月曜日,火曜日...) | |
%a | 曜日の英語省略名 (Mon, Tue...) | |
%A | 曜日の英語正式名 (Monday,Tuesday...) | |
日 | %d | 日(01〜31) |
時 | %H | 24時間表記の時間 (00〜23) |
%I | 12時間表記の時間 (01〜12) | |
%p | 現在のロケールの (AM/PM) | |
分 | %M | 分(00〜59) |
秒 | %S | 秒(00〜59) |
特殊 | %U | 年頭からの週の通し番号(00〜53) |
%j | 年頭からの日数(001〜366) | |
%% | パーセント記号 |
8-7.「予備保存」から編集前の状態に戻す
「紙copi Lite」では編集操作を行うたびに自動的に上書き保存処理が行われますが、それと同時に保存前の状態をバックアップしたファイルも作成されています。そのため、もし誤って重要な部分を削除してしまっても、元に戻すことができます。
もちろん編集中にひとつ前の状態へ戻すことはCtrl+Zキーからも可能ですが、「予備保存」は編集を終了していったん「紙copi Lite」の画面を終了した後でも戻すことができます。
■編集前の状態に戻す方法
- [他]メニューの[予備保存を閲覧]を選択して[予備保存を閲覧]画面を表示します。
- バックアップファイル一覧をマウスでクリックし、編集前の内容を探します。
- [内容をクリップボードにコピー]ボタンをクリックして、編集前の文章をクリップボードにコピーします。
- [テキストをクリップボードにコピーしました]という画面が表示されますので、[閉じる]ボタンをクリックします。
- 新しい紙の作成画面を表示し、[編]メニューの[貼り付け]を選択します。
[予備保存を閲覧]画面左下には「表示文字コード」として各バックアップファイルの文字コードが自動反映されて表示されます。もしこの自動判定された文字コードが正しくない場合には右下の文字コード指定リストボックスから正しい文字コードを指定してください。
※[動作設定]-[高度な設定]タブ内[新規ファイル作成時の文字コード(標準文字コード)]欄で指定された標準文字コードとは異なる文字コードのバックアップファイルから復元する場合には、上記貼り付け操作後に、[紙]メニューの[文字コード変換]にて正しい文字コードへ変換してください。
[予備保存を閲覧]画面で、[履歴を全て削除]ボタンをクリックすると、現在保存されているすべてのバックアップファイルが削除されます。
バックアップファイルは作成後30日経過してもアクセスがない場合には、自動的に削除されます。
なお、内容を書き換えてはいけない紙の場合には、[紙]メニューから[書き込みを禁止]を選択してください。一切の編集操作がその紙ではできなくなり、閲覧だけが可能となります。ただし、[書き込みを禁止]設定は、その紙のファイル属性を「書き込み禁止」に変更するものですので、ほかのソフトから開いた場合でも変更ができなくなります。ほかのソフトでも同じ紙を編集する場合には、終了時に[書き込みを禁止]を解除しておいてください。
8-8.HTMLファイルのセキュリティゾーンを変更する
■セキュリティゾーンと脆弱性対策
インターネットで公開されているWebページの中にはセキュリティ上危険な動作をする悪意のあるコードが含まれている可能性もあります。
通常インターネット上のWebページを閲覧している際には、悪意のあるコードが含まれている場合でも、「インターネット オプション」の「インターネット」ゾーンにおけるセキュリティ設定(デフォルトのセキュリティ設定は「中」)によって、悪意のあるコードが動作しない可能性が高くなります。
しかし、そのページを自分のパソコンの中に悪意のあるコードも含めたままコピーした場合には、そのページは「インターネット」ゾーンでの表示ではなく、セキュリティレベルの低い「ローカルコンピュータ」ゾーンでの表示となりますので、悪意のあるコードが動作してしまう可能性があります。
このような危険性に対処するため、「紙copi Lite」では、Webページから取り込む際に「Webのマーク」(Mark of the Web)コメントをHTMLファイルの先頭へ付加する処理が自動的に行われます。
この処理によって、取り込んだHTMLファイルはセキュリティレベルの低い「ローカルコンピュータ」ゾーンではなく、セキュリティレベルが比較的高い「インターネット」ゾーンでの表示となります。
また、「Webのマーク」コメントがついていないHTMLファイルに関しても、以下の操作を行うことで表示セキュリティゾーンの変更が可能です。
■セキュリティゾーンの変更方法
●箱内のすべてのHTMLファイルを変換する場合
- 変換対象の箱を「箱エリア」より選択します。
- [他]メニューの[セキュリティゾーン]-[箱内のファイルの一括変換]を選択します。
- 表示された画面の[変換実行]ボタンをクリックします。
- 変換結果が画面に表示されますので、その内容を確認してから[終了]ボタンをクリックします。
●選択した任意のファイルのみを変換する場合
- 変換対象のHTMLファイルをマウスで選択します。
(複数のファイルを選択する場合にはCtrlキーもしくはShiftキーを押しながらファイルを選択します) - [他]メニューの[セキュリティゾーン]-[選択中のファイルを変換]を選択します。
- 表示された画面の[変換実行]ボタンをクリックします。
- 変換結果が画面に表示されますので、その内容を確認してから[終了]ボタンをクリックします。
なお、「書き込み禁止」になっているファイルは変換することができませんので、そのようなファイルは変換結果画面で[失敗]と表示されます。 この表示がされたファイルは、書き込み禁止を解除した後に、再度変換操作を行ってください。
■セキュリティゾーン変更の影響
「ローカルコンピュータ」ゾーンでの表示を想定して作成されたHTMLファイルをセキュリティゾーン変更機能により「インターネット」ゾーンでの表示に変換した場合、「ローカルコンピュータ」ゾーンで表示されるほかのHTMLファイルへのハイパーリンクが機能しなくなる、という現象が発生します。
例えば、以下のような2つのHTMLファイルがPCの同じフォルダ内に存在すると仮定します。
<html>
<head><title>file1</title></head>
<body>
<p><a href="file2.html">file2へのリンク</a></p>
</body>
</html>
<html>
<head><title>file2</title></head>
<body>
<p><a href="file1.html">file1へのリンク</a></p>
</body>
</html>
これら2つのHTMLファイルはPC内に存在していますので、どちらも「ローカルコンピュータ」ゾーンでの表示となります。そのため、「file〜へのリンク」部分をマウスでクリックすれば、もう一方のHTMLファイルが表示されます(ハイパーリンクが正常に機能します)。
しかし、"file1.html"のみを「紙copi」のセキュリティゾーン変更機能によって「インターネット」ゾーンでの表示に変更した場合、"file1.html"内の「file2へのリンク」部分は機能しなくなります(ハイパーリンクをクリックしても動作しません)。
<!-- saved from url=(0014)about:internet -->
<html>
<head><title>file1</title></head>
<body>
<p><a href="file2.html">file2へのリンク</a></p>
</body>
</html>
これは、"file1.html"の表示されるセキュリティゾーンが「ローカルコンピュータ」ゾーンから「インターネット」ゾーンに変更されたため、「ローカルコンピュータ」ゾーンで表示される"file2.html"には"file1.html"から移動できなくなったことによります。
本現象によりハイパーリンクが機能しなくなった場合には、以下のいずれかの方法による対処が可能です。
- リンク先HTMLファイルも「インターネット」ゾーンでの表示に変更する
- HTMLファイル内に悪意のあるコードが含まれていないことを十分に確認した後に、「Webのマーク」コメントを削除する(「ローカルコンピュータ」ゾーンでの表示に戻す)
しかし、「ローカルコンピュータ」ゾーンでの表示を前提としたHTMLファイルを「インターネット」ゾーンでの表示に変更した場合には、正常に表示されなくなる可能性があります。
また、「Webのマーク」コメントを削除する対策は、セキュリティレベルの低い「ローカルコンピュータ」ゾーンでの表示に変更するものとなりますので、万が一悪意のあるコードが含まれていた場合には、PCを不正に操作されてしまう可能性があります。
本現象の対処に当たって、上記の点を十分に踏まえたうえで操作を行うようにしてください。
■セキュリティ設定
「紙copi Lite」のセキュリティゾーン変更機能は、取り込んだHTMLファイルの表示されるセキュリティゾーンを「インターネット」ゾーンに変更することによって、悪意のあるコードの実行を防止するというものです。
そのため、「インターネット」ゾーンのセキュリティ設定が低い状態の場合には、HTMLファイル内に記述された悪意のあるコードの実行を防ぐことができない可能性もあります。
「インターネット」ゾーンのセキュリティ設定は、「インターネット オプション」の「セキュリティ」タブから確認・変更が可能ですので、現在の「インターネット」ゾーンがデフォルトの「中」以上になっているかを確認してください。
8-9.「絶対パス」方式で取り込んだHTMLを変換する
ver1.966までの「紙copi Lite」においてWebページからの取り込み形式として採用していた「絶対パス」方式は「紙copi」独自の管理方式であったため、取り込んだHTMLファイルを画像等も含めて表示することは「紙copi」「紙copi Lite」内で開く必要がありました。
「紙copi Lite」がインストールされていない環境においてもWebブラウザで閲覧できるようにするためには、以下の変換操作が必要となります。
※「紙copi」で「相対パス」方式にて取り込んだHTMLは、変換操作をおこなう必要はありません。そのままの状態でWebブラウザでも閲覧できます。
■「絶対パス」方式で取り込まれたHTMLファイルの変換方法
- 「紙copi Lite」の画面左にあるファイル名一覧領域からHTMLファイルを選択します。
複数のHTMLファイルがある場合には、ひとつのファイルを選択した後に、Ctrlキーを押しながらほかのHTMLファイルを選択します。 - 選択したHTMLファイルの上で右クリックし、表示されたポップアップメニューから[画像を相対パスに切り替える]を選択します。
- 表示された画面の[変換実行]ボタンをクリックします。
- 変換作業が自動的におこなわれ、すべてのファイルの変換が終了すると[変換は正常に終了しました]と表示されますので、[終了]ボタンをクリックします
正常に変換が終了すると、一覧リストでのHTMLファイルアイコンが右上にピンク色の印をつけたものへと変更されます。この印のないHTMLファイルアイコンが表示されている場合には、そのファイルは「絶対パス」方式で取り込まれたものであること、もしくは画像などほかのファイルを読み込まない文字情報だけのものであることを意味しています。
8-10.「見出しリンク」で同じ箱内のファイルを素早く開く
HTMLファイルにはほかのファイルへの移動を可能にするハイパーリンクを設定することができ、インターネット上のWebページなどはこの仕組みを利用して相互に結びついています。
「紙copi Lite」には、このHTMLファイルのハイパーリンクのように、テキストファイルから同じ箱内にある別のファイルへ、マウスのダブルクリックで直接移動することのできる「見出しリンク」機能が搭載されています。
Ctrl+Uキーによる直前に開いていた紙を簡単に開く機能(詳細)と併用すれば、複数のファイルを自由に行き来することができます。
■見出しリンク機能の使用方法
- [他]メニューの[動作設定]-[編集設定]タブにて[見出しリンク機能を使用する]項目をオンにします。
- 同じ箱内にある別ファイルのファイル名をテキストファイルに記入します。
- ファイル名部分が自動的にハイパーリンクとして下線表示されますので、マウスでダブルクリックします。
ファイルの名前を入力すれば自動的にハイパーリンクになりますので、「この続きはファイル2へ。」などのように、自然な文章で別ファイルへのリンクを設定することができます(この場合「ファイル2」が別ファイルのファイル名と仮定しています)。
8-11.ファイルの文字コードを変換する
「紙copi Lite」で作成するファイルの文字コードは[動作設定]-[高度な設定]タブ内の[新規ファイル作成時の文字コード(標準文字コード)]欄で指定された文字コードになります。既に作成済みのファイルをほかの文字コードへ変換するには、以下の操作を行います。
■ファイルの文字コードを変換する方法
- 変換するファイルを表示する。
- [紙]メニューの[文字コード変換]にて、任意の文字コードを選択する。
- 確認ダイアログで[はい]を選択する。
なお、文字コードの変換操作は、ファイルの文字コードを変更後上書き保存を行いますので、不正な文字コードを指定した場合には文字化けした状態へ更新される可能性があります。変換操作実行前に文字コード指定再読込を行い、変換を希望する文字コードで正常に表示されることを確認してから操作することをお勧めします。
もし不正な状態へと変換されてしまった場合には、[他]メニューの[予備保存を閲覧]より変換前のバックアップファイルを確認し、「8-7.「予備保存」から編集前の状態に戻す」を参照して復帰操作を行ってください。
8-12.ファイルの文字コードを指定して再読込する
表示しているファイルの表示文字コードを任意の文字コードへ変更して再読込することができます。文字コード変換機能では変換と同時にファイル自体の文字コードを変更しますが、文字コード指定再読込機能ではファイル自体の文字コードは変更せずに、ファイル表示に用いる文字コードを他の文字コードに切り替えて再読込します。
■ファイルの文字コードを指定して再読込する方法
- [紙]メニューの[文字コード指定再読込]にて、任意の文字コードを選択する。
- 確認ダイアログで[はい]を選択する。
なお、文字コード指定再読込では再読込操作実行のみではファイル自体の文字コードは変更されませんが、再読込後に文字入力などの編集操作を実行すると、その時点で表示している文字コードでの保存となります。